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とあるホストの裏事情・完

第17章 お前は猫で、お前も猫。

「将悟、何つくってんの?」
「う、わっ、いきなり抱きつくな。 見て分かるだろ?肉焼いてんの」

バジルで爽やかに味付けし、簡単にグリルしているその肉は
どこのもんか分からないけど
結構いいやつだった。


「へー・・・うまそ」
「だーから危ねぇってば。ちょっと待ってろ」
「そうですよー、僕の前でイチャつかないでください。」


慣れた手付きでキャベツを千切りにしていく遥が言うと
研斗が「イチャついてねーよ・・・」って恥ずかしそうに離れていったから
その姿が可愛くて、今日は酒飲ませてやろう、と思った。



「あ、そういえば。今日氷悠さん来んの?」
「あー・・・来るんじゃないですか。まぁあの人呼んでなくても来るし」
「へー、愛されてんね」


俺が親指についたバジルソースを舐めたから
チュッ、というリップ音がした。

その音に反応して
リビングでくつろいでたはずの研斗が走ってきた。


「なにしてた!?」
「は?キスしてねーよ」
「じゃあなにしてたんだよ!」
「舐めただけー」
「はぁ!?おまっ、遥のこと舐めたのか!?」
「指だよバカ!!!」
「誰の!?」
「お!れ!の!」

なんだコイツ、めちゃめちゃ焦ってる。誰がお前以外とキスするかっつーの。
まぁ、これまでの俺の行いが悪いからかな・・・
なんて珍しく反省してみたり。

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