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とあるホストの裏事情・完

第17章 お前は猫で、お前も猫。

氷悠さんは
さっきからずっと真顔で、ピザを食べ続けてる。


「氷悠さん、他のも食べてください」
「・・・お前、敬語やめろ。どうせ俺より年上だろ」
「あーそっか、じゃ遠慮なく」

返事は返ってこなかったけど
取り皿にサラダ入れてたから、一応伝わってて安心。


見た目からして確かに
付き合いにくいイメージあるけど
やっぱいい人で。
研斗も心開いてるってのもあるかな。



「研斗、酒」
「ん、はい」


・・・研斗操縦するの上手い

『酒とってくれる?』とか言ったら『子供扱いすんな!』ってすぐキレる。

ヤバい、やっぱり何者なんだよ


「遥、グラス取ってきて」
「はいはーい」


ワインの蓋を開ける姿が
めっちゃ色っぽくて
つい見入る。


グラスに注ぐのなんかも慣れてる。


「おー、やっぱうまそう」
「えー、俺そんなん分かんねー」


どこかの一流俳優みたいにグラスをクルクルと回しながら笑う研斗。


・・・やっぱ可愛い。


さっきはしなかったから
順番違うけど、乾杯をした。


「う、お・・・うまい?」
「お前、味分かんねーくせに言うなよ」

研斗が首をかしげながら
ワインを飲む。


この美味しさが分かんねーとかどんだけ損だよ。

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