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とあるホストの裏事情・完

第21章 親父

「ん、そろそろ酔ってきたかな・・・」
「あ、もう?じゃあ俺帰ろうか?」
「んー・・・いやだいじょぶ」


あーマジで結構ふわふわしてるわ
眠い・・・かも


「おっ・・・と。研斗くん、寝てるよ?俺もう帰るから」
「あーんー・・・ごめんね。ホスト失格」

気付いたら近藤さんの肩にもたれてたみたい。

「あ、研斗くんさ、このあと時間ある?」
「んー・・・うん、別に」
「そっか!じゃあ何か食べに行かない?もっと話したいなー」


でもこんな時間に食いに行くって気分じゃねーしな・・・
どうしよ、断るか


「ごめん近藤さん・・・」
「えーダメ?お願い!奢るからーっ」

お願いポーズをお客さんにさせてしまった。
んー・・・ そんなに酔ってないし、んー・・・でもなぁ・・・

「俺の車で寝ててもいいから、着いたら起こすから」
「あーじゃあ・・・お言葉に甘えて」
「うんっ」


仕事が終わって、近藤さんには外で待っといてもらった。
その間に将悟に連絡を入れる。


「お客さんに誘われてさ。すぐ帰るから、ダメか?」
『あんま良くねえよな?そんくらい分かるだろ、浮気者』
「ちげえし!てか将悟だってこの前斎藤さんにお持ち帰りされてただろーが!」
『あーはいはい。分かったよ、遅くなんなよ?』
「子供扱いすんな!!じゃあな」


ルームで着替えてると、誠也さんが入ってきた。


「あ、研斗。もしかして近藤にお持ち帰りされんの?」
「あーはい・・・近藤さんのこと知ってんですか?」

しかも、近藤、て呼び捨て。仲良さそうだな・・・イケメン同士、気が合うのかも。
「知ってるっちゃ知ってるよ、結構この店来ててさ。あいつイケメンだろ?
 歳同じくらいで、結構話したんだよ」
「仲良いんですね」
「んーまぁ、あいつの個人情報とかはあんま知らねーけど。あ、なんかどっかの坊っちゃんの執事みたいなんしてるみたいだぜ?」


執事・・・!!すげー、イケメン執事とかホントにこの世にいたんだな・・・

「マジすか、すげえな・・・ あっ、俺そろそろ行きますね」
「おう、いってらっしゃーい」



店から出ると、裏の駐車場に青い車が停めてあった。
うわ・・・さすが執事。車高そーっ

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