無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

しょうがないから、絢に委ねることにした。全ては、研斗のためだ。

「ねっ！キレイでしょ？」
「いいから、“外ではできない話”、してよ」
「あっ、そうでしたそうでした」
忘れてんじゃねーぞこのガキ。
なんかもう、存在全てがムカつく。
裏に研斗がいるからだろうけど。

「僕はあんなことしたくなかったんですけど、親父に頼まれて。」
「･･･あんなことって？」
「･･････調教です」

身体全体に、電流が走った感覚がした。
“調教”、という言葉だけが俺の中をぐるぐると回っている。
コイツ、何言ってんだよ。
頭おかしいよな･･･
俺には、研斗に対する申し訳なさと、絢に･･･いや、コイツの親父に対する怒りしか無かった。

「･･･研斗、もっと若いとき、セックスしてお金貰ってたんです。　女の人に」
知ってるよ･･･
それをさせたのは、お前の親父だ･･･
研斗の、敵だ･･･。

「で、研斗が男に抱かれてるって情報が親父に入ったんです。
親父は研斗つれ戻して、また女の人抱かせるつもりだったんですけど」
「男と付き合ってるからそれができない、と」
「そう」

ああ、あぁ、ああ。
ふざけるな。
研斗は、
研斗は
「金じゃねぇ･･･」
「･･････、」
「研斗つかって金作るってんだろ？マジでふざけんなよ」
「男性恐怖性にしろって指示されて」
「･･･俺のことは無視かよ。俺がいるのに恐怖性なんかにさせられる理由がねーよ」
「将悟さん」
「･･････、」

真っ黒。
真っ黒だ。
絶望
絶望だ。

もう、どうにでもなれ。
全部、めんどくさい。