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「美嘉さん、今日は何にします？」


「いつものお願いね？」

「OK」

将悟は『いつもの』と言われると、手際よくグラスに高いシャンパンを注ぎ始めた。

その手つきに俺は見とれていた。すると美嘉さんがクスッと笑った。


「そんなに見とれちゃって、将悟はモテるのね」

「やっ、違くて…」


「美嘉さん、優しくしてやってくださいよ」




将悟はお酒が出来上がって、美嘉さんに渡しながら言った。


「あら、いつもの癖ね、フフフッ」

俺はこういう絡みには慣れてなくて、軽く流せなかった。



「はい」

「えっ？」

将悟が渡してきたのは、グラスに入ったお酒だった。

「いや…俺まだ未成年だし…」



「まぁ、そんな事気にしてたらこの商売やってけないわよ？」


「はい」

仕方なく、将悟の手からグラスを受け取った。