とあるホストの裏事情・完
第24章 さわらないで
ベッドの方を振り向くと、シーツで身を隠した研斗が、目をこすりながらこっちを見ていた。
あぁ、もう・・・
「研斗、わかる? 将悟」
研斗に触れようと、頬に手を伸ばす。
すると
「やだっ!」
「けん、と、・・・」
「やだ、もう俺、やだっ! 来ないでよ、さわらないで!!」
「研斗、俺・・・将悟。 絢じゃないし、絢の親父でもない」
余計な手出しはしまいと、氷悠は黙って見ている。
研斗は怯えた目で俺を見て、俺が動くとビクッ、とはねる。
あぁもー、くっそ・・・
「研斗、シーツの匂いかいでみ?」
「におい・・・」
研斗は素直に、シーツを鼻に当てて目を閉じて息を吸っている。
お願い、気づけ・・・
「あ・・・ちがう・・・」
「なにが違うの?」
「絢じゃ、ない・・・」
「そう。絢じゃないよ。だからあんな酷いことする人は、ここにはもういない」
「・・・本当に・・・?」
未だ俺と目を合わせようとしない研斗に近寄る。
身体こそはねたものの、少しだけ。
「研斗、こっち見て?」
「・・・こわい」
「怖くないよ、だってもういない」
「わかんないよ・・・」
「だーいじょうぶ。俺がいるから」
そう優しく言うと、研斗は顔をゆっくり俺の方へ移した。
俺と目が合うと、さっきまでの怯えた瞳は少しだけ消えたような気がしている。
「誰かわかる?」
「あ・・・将悟、だ」
「・・・っ、触ってもいい?」
「・・・・・・ほんとに、将悟だったら、いい・・・」
俺はベッドに乗り、研斗の肩に触れる。
そしてそのまま、抱き締めた。
「・・・ごめん」
「っうん・・・」
「怖かったよな痛かったな。全部、俺のせいだ・・・」
「将悟・・・」
いったん身体を離して、少し軽くなった研斗をあぐらをかいている俺の膝に乗せる。
「俺のことわかるでしょ?」
「うんっ・・・」
「絢なんかじゃないでしょ?近藤でもない」
「うん・・・っ」
研斗の方から抱きついてきた。
俺はそれが嬉しくて、涙が出そうだった。
でも、研斗は泣いていて、俺の肩に落ちる涙が、どこか暖かかった。
あぁ、もう・・・
「研斗、わかる? 将悟」
研斗に触れようと、頬に手を伸ばす。
すると
「やだっ!」
「けん、と、・・・」
「やだ、もう俺、やだっ! 来ないでよ、さわらないで!!」
「研斗、俺・・・将悟。 絢じゃないし、絢の親父でもない」
余計な手出しはしまいと、氷悠は黙って見ている。
研斗は怯えた目で俺を見て、俺が動くとビクッ、とはねる。
あぁもー、くっそ・・・
「研斗、シーツの匂いかいでみ?」
「におい・・・」
研斗は素直に、シーツを鼻に当てて目を閉じて息を吸っている。
お願い、気づけ・・・
「あ・・・ちがう・・・」
「なにが違うの?」
「絢じゃ、ない・・・」
「そう。絢じゃないよ。だからあんな酷いことする人は、ここにはもういない」
「・・・本当に・・・?」
未だ俺と目を合わせようとしない研斗に近寄る。
身体こそはねたものの、少しだけ。
「研斗、こっち見て?」
「・・・こわい」
「怖くないよ、だってもういない」
「わかんないよ・・・」
「だーいじょうぶ。俺がいるから」
そう優しく言うと、研斗は顔をゆっくり俺の方へ移した。
俺と目が合うと、さっきまでの怯えた瞳は少しだけ消えたような気がしている。
「誰かわかる?」
「あ・・・将悟、だ」
「・・・っ、触ってもいい?」
「・・・・・・ほんとに、将悟だったら、いい・・・」
俺はベッドに乗り、研斗の肩に触れる。
そしてそのまま、抱き締めた。
「・・・ごめん」
「っうん・・・」
「怖かったよな痛かったな。全部、俺のせいだ・・・」
「将悟・・・」
いったん身体を離して、少し軽くなった研斗をあぐらをかいている俺の膝に乗せる。
「俺のことわかるでしょ?」
「うんっ・・・」
「絢なんかじゃないでしょ?近藤でもない」
「うん・・・っ」
研斗の方から抱きついてきた。
俺はそれが嬉しくて、涙が出そうだった。
でも、研斗は泣いていて、俺の肩に落ちる涙が、どこか暖かかった。