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とあるホストの裏事情・完

第26章 トラウマ

◇◆◇◆◇◆



「将悟、風呂洗っといて…」
「あれ、風呂洗いってたしか、どこぞの研斗さんの仕事でしたよね?
あーれ、おっかしいな~」
「…柄に合わねーこといちいちすんなよ」
「………俺お前が元気ないとおもったから頑張って柄に合わねーことしたんだよ!」

あ、そうだったんだ。
優しいなー、相変わらず。
少し怒ったように俺のケツを叩いてきた。

「いってー。あーこれじゃー当分セックスできないー」

ぜんっぜん痛くないけどな…
わざとらしくソファーの上で足をじたばたさせると、将悟が上に乗ってきた。


「はっ。どうせ研斗から『ヤりたい』って泣きながらせがんでくるだろーから、俺は別に知らねー」

重たいって思いながらも、ちょっとだけ不安になって、頑張って将悟に振り返る。
「え、待ってほんとにしないの…?」
「………ほら見ろ」

そう言って一度俺の上から退けたかと思ったけど、今度は俺の体制を変えてきた。
えっ、と… この状況は… あの…

ソファーの上で、将悟の膝の上に乗せられて、向かい合わせになってる体制。
つまり、俺が上……!!

「ちょっと、俺、下の方が…っ、んっ」
「黙って。続きしよ?」
「んっ、…したまま喋るな、よ…っ」
「はっ、エローい… んっ」
「んぁっ… ふぅ、ん……」

二人の体温はすでに重なって、同じになっている。
熱を共有しているのにも関わらず、熱くて溶けそうなのは、俺だけなんじゃないかっていう錯覚に陥る。

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