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とあるホストの裏事情・完

第29章 氷悠 × 遥

「...ごめん、ほんとごめん」
「バカ、じゃん...っ、う~っ、ふぅ...」
「...もう言わないから。 泣かれるとは思わなかった」
「もう...っ 知らねー...」


やってることがおかしいと思いながらも、遥の頭を撫でる。
こんなに虚しいことはない。

「遥、とりあえず、帰ろう」
「...っん。 家帰りたい」

抱きしめる俺の手を振り払うことなく、頭を押し付けてくる。

やってることと言ってることが違うぞ、バカ野郎。


そんなことするから、めちゃくちゃにキスしたくなるし襲いたくなる。


こんなにも想ってるのに、届かないのは初めてだ。
やっぱり、女とは違うよな...


「帰ろう。 送るよ」


遥は黙ったまま頷き、俺の車に乗り込んだ。

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