とあるホストの裏事情・完
第29章 氷悠 × 遥
女なら誰だってオトせる自信あるのに
遥はずーーっとオトせない。
そのくせ好きになったら小悪魔だから
厄介なやつだ。
ホストに入る、なんて言い出したのも
将悟をあの街で見かけたから。
そん時は、将悟のことを憎んだけど
あいつはいいヤツだし、相手いるし
もう遥も諦めたという。
家に着いた頃には、遥は爆睡していた。
無防備にも程があるだろ。
さっきお前は男に告白されたんだぞ?
「遥、家ついたぞ」
「ん~… ねむ…」
「じゃあ玄関まで頑張って歩け」
「ん、」
目を擦りながら車を降りる遥。
こういう容姿だから
高校でも怪しい男に声をかけられたことも多々あった。