とあるホストの裏事情・完
第30章 氷悠 × 遥 -遥side-
氷悠side
◇◆◇◆◇◆◇◆
珍しく遥から
『お酒付き合って』
というメッセージが届いた。
だからちょっと嬉しくて
すぐにいい酒を用意した。
………にも関わらず。
「しょーごさんはさぁ! 僕のことがんちゅーに無いってわけなの!」
「そーかそーか」
「けんとさんとイチャイチャイチャイチャ… よそでやってくれって感じだよね!!!」
「そーだな」
遥は、俺の家に入ってくるなり泣き出した。
とりあえず話を聞こうとなだめたら
出てきたのは男の名前。
それに失恋したってゆーじゃねーか。
何が悲しくて好きなやつの失恋話聞かなきゃならねーんだよ。
ふざけだろ。
遥はさっきから
イカスルメをかじりながら涙声で話している。
もう完全に酔っぱらっている。
「そんなの相手いたんだったらしょーがねーだろーが。 潔く諦めろ」
「だってさ、だってさ、僕が話しかけたらさ、めちゃくちゃかっこいい笑顔見せてくれたのにさ」
「バカ、いわゆる営業スマイルだよ。 ホストなら当たりまえー」
俺がそういうと、遥は潤んだ目で俺を睨んできた。
わー、威力ねーなー。
てか、かわいすぎだろ、その顔。
「なに、俺正論言っただけ」
「…いーよもう… 僕が悪いんだよーだ。 あーぁ、失恋とか何年ぶりだろーなー」
そう言ってワイングラスをくるくると回し始める遥。
そのとき俺は、確信した。
こんなに酔ってるんだから、簡単になんでも許してくれるはずだ、って。
「遥、さみしい?」
「うん… さみしーーー!!!!」
「声でけーよ。 じゃあ、ちゅーしてあげようか?」
「えーー? まぁじでー?」
なんか、今ならできる気がしてきた。
こいつも笑ってるし、酔ってるし。
てか、案外ノリ気かも?
「ちゅーなぁ… ひゆう、うまいの?」
「さぁ、それは遥が確かめることだと思うな」
「…ふーん… じゃーしてーっ」
よっしゃ、かかった。
ずーっと失恋話聞いててよかったー。
やべぇ、テンション上がってきた。
遥はと言えば、両手を広げて膝立ちでこちらへやってくる。
だから俺も両手を広げてスタンバイ完了だ。
すると遥は、ソファーに座ってる俺の膝に乗ってきた。
「あれ、この状態でいいの?」
「うん、いーよー」
無邪気にそう笑った遥は、俺の唇を指でなぞった。
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珍しく遥から
『お酒付き合って』
というメッセージが届いた。
だからちょっと嬉しくて
すぐにいい酒を用意した。
………にも関わらず。
「しょーごさんはさぁ! 僕のことがんちゅーに無いってわけなの!」
「そーかそーか」
「けんとさんとイチャイチャイチャイチャ… よそでやってくれって感じだよね!!!」
「そーだな」
遥は、俺の家に入ってくるなり泣き出した。
とりあえず話を聞こうとなだめたら
出てきたのは男の名前。
それに失恋したってゆーじゃねーか。
何が悲しくて好きなやつの失恋話聞かなきゃならねーんだよ。
ふざけだろ。
遥はさっきから
イカスルメをかじりながら涙声で話している。
もう完全に酔っぱらっている。
「そんなの相手いたんだったらしょーがねーだろーが。 潔く諦めろ」
「だってさ、だってさ、僕が話しかけたらさ、めちゃくちゃかっこいい笑顔見せてくれたのにさ」
「バカ、いわゆる営業スマイルだよ。 ホストなら当たりまえー」
俺がそういうと、遥は潤んだ目で俺を睨んできた。
わー、威力ねーなー。
てか、かわいすぎだろ、その顔。
「なに、俺正論言っただけ」
「…いーよもう… 僕が悪いんだよーだ。 あーぁ、失恋とか何年ぶりだろーなー」
そう言ってワイングラスをくるくると回し始める遥。
そのとき俺は、確信した。
こんなに酔ってるんだから、簡単になんでも許してくれるはずだ、って。
「遥、さみしい?」
「うん… さみしーーー!!!!」
「声でけーよ。 じゃあ、ちゅーしてあげようか?」
「えーー? まぁじでー?」
なんか、今ならできる気がしてきた。
こいつも笑ってるし、酔ってるし。
てか、案外ノリ気かも?
「ちゅーなぁ… ひゆう、うまいの?」
「さぁ、それは遥が確かめることだと思うな」
「…ふーん… じゃーしてーっ」
よっしゃ、かかった。
ずーっと失恋話聞いててよかったー。
やべぇ、テンション上がってきた。
遥はと言えば、両手を広げて膝立ちでこちらへやってくる。
だから俺も両手を広げてスタンバイ完了だ。
すると遥は、ソファーに座ってる俺の膝に乗ってきた。
「あれ、この状態でいいの?」
「うん、いーよー」
無邪気にそう笑った遥は、俺の唇を指でなぞった。