とあるホストの裏事情・完
第30章 氷悠 × 遥 -遥side-
「俺、男だよ?」
「しーってるよ!!」
「え、男でもいいの?」
自分から誘ったくせに、ずるいとは思うけど遥に聞いてみた。
確認したくて、いい気分になりたかった。
「男がっていうか、ひゆうだからいーの!!!」
「…へー、嬉しいじゃん」
早くキスしてしまいたかったけど
もうちょっとこの幸せな時間を楽しんでいたくもあった。
「なー、しないのー?」
「ん、したい?」
「うんまぁ… したい!」
「そっかそっか」
たぶん俺はすごく間抜けな顔をしているだろうな。
思わず口角が緩んでいく。
俺が笑うと遥も笑ったから、もう我慢の限界だった。
遥との唇の距離は、ゼロだ。
最初は、遥がすぐに顔を引いたから
当てるだけだったけど、すぐに近付けて来た。
もー、やばいな。
「んー… ぅんん… っんー」
「…っは…遥かわいー」
「んっふっ、ふふー」
キスしながらも遥が笑う。
くそ、腰抜けにしてやるぞ。かわいいけど。
骨抜きにしてやるぞ!かわいいけど。