とあるホストの裏事情・完
第30章 氷悠 × 遥 -遥side-
遥が俺の服の中に手を入れてきた。
お腹らへんをまさぐられる。
冷たい手で触られると純粋に気持ちよかったけど、遥は何がしたいんだ?
「遥、なにしてんの?」
「ひゆうも脱いでー。 僕だけはずかしいじゃん…」
俺の服をまくり上げながらうつ向く遥。
結構大胆なことすんだな…
酒の力怖すぎる。
遥の身体を撫でると、ぴくっと小さく反応した。
ちょい、男の経験あるんじゃねーだろーな…?
……それはないか。
「何が恥ずかしいんだよ。 こんなキレイじゃん」
「男見て、きれーとか言うなよー!」
「なに、そんなん今更じゃん。 俺はバイなの。 忘れた?」
そう言うと、遥はなぜか悲しそうな顔をした。
それを見るのが辛かったから、服を脱いで遥を抱き締めた。
人肌同士を合わせるのは初めてじゃないけど、なんか無償にドキドキしてる。
でも、それは嬉しいことに遥も同じなようで。
「ひゆうってな、僕のことどう思うの?」
「かわいいヤツだな、って思う。 独占欲が働くね」
一旦身体を離して目を合わせると
遥の目は潤んでいた。
というか、もうすでに涙をこぼしていた。
「えっ、何々、どーした?」
「僕… おかしくなっちゃっ、て…」
「何が? ちゃんと言ってよ。 なんで泣いてんの?」
「僕…っ、」
遥は、おもむろに自らの手を自分の股間に持っていった。
そして、頬を紅潮させながら呟いた。
「ここ… たっちゃった…」
「…………ん?」