とあるホストの裏事情・完
第34章 新婚(!?)旅行
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コイツ、やるな…
いつもなら一回そういう雰囲気になったり
そういうことをしたりすると
すぐに興奮して
収まらなくなるくせに。
今日なんかこいつ強いぞ。
俺が負けそうだわ。
俺と同様、眠たそうに座椅子に座る研斗の手に
いやらしく指を絡めてみせるけど
目を合わせて恥ずかしそうに顔を背けるだけ。
何も言ってこない。
ふと、俺の好奇心が騒ぐ。
これってどこまでやったら
ガマンできなくなるんだろ…?
「研斗…」
「…なに?」
「エッチしよ」
「え…っと俺の話聞いてた!?」
「うん、俺したくなっちゃったんだけど、だめ?」
先程と同様、指を絡めながら
研斗に問う。
明らかに動揺してる顔は
真っ赤になっている。
どこまでも可愛いやつだな…
言葉で誘うと
単純な研斗はすぐその気になってしまう。
それが可愛いとこでもあり、
欠点でもある。
誠也が本気出して誘えば
研斗はコロッ、と乗ってしまう可能性は極めて高い。
「だ、めっていうか……俺、しないって言ったからさ…」
恥ずかしそうにうつむいて
モゴモゴと話す。
もうこれ俺の勝ちだろ。
ガマンできてないでしょ。
「…今したいんだけどな」
「…っ、だめだ!今日はしねぇ!そう決めたの!」
「………」