とあるホストの裏事情・完
第34章 新婚(!?)旅行
「しょっ、うご…!」
「……ん?」
傷心中の俺に
研斗の言葉がかけられた。
反射的に振り向くと
研斗は俺を見つめて真っ直ぐ立っていた。
「……どした?」
「俺、おれ…っ、将悟のこと…」
「…え、あ、まって、ちょ…っ、風呂!入ってから話そ?な?」
「……うん」
なんなんださっきの空気は…!
意を決して言います、みたいな?
告白します、みたいな…?
なに、なんのイベントだこれは。
戸惑いを隠しきれない俺に
研斗はさらに追い討ちをかけてくる。
「ゆっくり、話したい…」
「……うん、俺も。ゆっくり、話そうな」
首に手を添えて引っ張ると
トコトコと脱衣室に入ってくる。
そしてなんの躊躇いもなく服を脱ぎはじめる。
俺の前だけでも
無防備になってくれることが嬉しい。
今更裸になるのが恥ずかしいみたいで
俺が下を脱ぐのを待ってる様子。
「なんでそんな見てんの」
「早く、脱がないかなーと思って…」
「俺は別に恥ずかしくないからすぐ脱げますけど?」
「お、俺だって恥ずかしくねーよ…っ」
「ほい、脱いだ脱いだっ」
完璧に全裸の俺にそそのかされて
仕方なく脱ぐしかなくなったとでも言いたい感じだ。
実際もう何十回も見てんだから
恥ずかしさなんて必要ないけど。