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「･･･あぁ、知ってる」

「姉に、処女だって言ったら、
あ、私まだ処女なんですけどね･･･
･･･処女だって言ったら、研斗さんのこと教えられて。　相手してもらったらいいよって言われて･･･」


勝手に言ってくれてますね。

ってか俺今更うまく出来るかとかわかんねー･･･

処女の相手したこともねーし。



「･･･うん。　で、俺に相手をしろと？」


ちょっとイヤな言い方だったかもしれないが、もうヤケクソだ。
怒りなど、不思議と呆れたように消えていった。


「ごめんなさい･･･ 私情のためにこんなこと、頼んでしまって」

咲季ちゃんは膝の上で手をグーにして震えている。　俺が誰なのかも分からないのに、桐子に言われるがままここに来たんだ。

相当勇気がいっただろう。　それを無駄には出来ない　と、心の中で思っていた自分がいた。