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俺のウサギちゃん

第16章 天使と悪魔

俊くんは、悪魔のコスプレのままブーケを抱え、スタジオをでてレストランの方に歩いて行った。



すでにランチを食べに来ていたお客様で賑わうレストランでは、美悪魔の登場に色めき立っていた。



と言うのも、この美悪魔は、綺麗な上半身は裸のまま、悪魔メイクのせいで、いつもの倍のフェロモンを撒き散らしていたのだから。





「あ〜…誰か、お花買わない?
1000円で。」



美悪魔は、蕩ける笑顔でブーケを差し出し、美声を放った。



女性客のため息が、あちこちで聞こえる。



「ハイ!買います。悪魔のコスプレ素敵ですぅ。写真も撮らせて下さい。」



「キャ〜!あたしも買いますぅ。一緒に写真お願いします。」



俊の前には、この美悪魔の信徒と化したお客様の、長蛇の列が出来ていた。



「あぁ…、ごめんね。そんなにないんだ。10個しかないから10人までね。」



10人に入れなかった人の、悲痛な声が巻き上がった。





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