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俺のウサギちゃん

第4章 彼のお願い

「みみこ…俺のみみこ…」



俊くんは、あたしの名前を何度も確かめるように呼んで、ぎゅうって優しく抱き締めた。



それから、あたしの両耳を大きな両手ではさんで、あたしの顔を上に向かせ、ちゅッとキスをした。



「みみこー、目まで真っ赤だ。ウサギみたい。何だこの可愛い小動物は。可愛い過ぎる。」



あたしは、恥ずかしくてうつむいた。
だって、いきなりだし!初めて男の子にキスされたー!


俊くんは、あたしの頭をナデナデして

「いきなりゴメン。
俺のものだって印つけたくなった。強引すぎた?」



コクリと頷くのがやっとで、びっくりし過ぎて声もでない。



だって、忘れ物取りにきただけなのに、抱き締められて、彼女になって、初ちゅーまで奪われた。



「チョット待ったーー⁈。
やっぱおかしくない?初めて会ったんだよ?
なんで付き合うの?
本気ですか?よく考えた?」




「…だな。俺もビックリだ。彼女なんて作る気なかったのに…。」



ズキン…作る気ないのになんで?
なんか、胸が痛いよ。
コワイかも。


「きっと、まだ夢みてるんだよ。
元カノの夢でもみたからかな?
あたしは、ダレにも言わないから、この話はなかったことにしよ?

じゃ、そゆことで…。」



あたしは、挨拶もそこそこにまたもや逃げ出した。


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