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俺のウサギちゃん

第6章 確信犯

「そんな避けるなよ…。傷つくなー…
ってか、俺も職員室に用事だ。お先にどうぞ。」

俊くんは、ニッコリ笑って職員室のドアを開けてくれた。


ドキンッ♡


その笑顔…眩しすぎるよ…。


あたしは、お言葉に甘えてお先に職員室に入り、白井先生のもとへ向かった。


「白井先生。すみません。
昨夜、調子が悪くて宿題ができませんでした。期限を伸ばしては頂けませんか?」


「蒼井さん、期限は大分あったでしょう。今日までですよ。放課後まで待ってあげるから、早く仕上げなさい。」


ですよねー。
やっぱだめかぁ〜…。
あたしは、ガックリと肩を落として歩きだした。


後ろには、俊くんがいてすれ違いざまにニヤッと笑って手を握った。


俊くん、手っ⁉︎ 目で訴えた。


俊くんは、あたしを隠すように先生の前にでるとそのまま後ろ手であたしの手を握ったまま離さなかった。


仕方がないから、そのまま俊くんの話を立ち聞きすることにした。


「白井先生、お探しの資料をお持ちしました。」

持ってきた資料を机に置く。


俊くんは、白井先生に顔をグッと近づけあの低音セクシーボイスで囁いた。


「白井先生…実は昨夜、俺も調子が悪くて宿題ができなかったのですが…すみません。」


「あらぁ〜 赤石くん、大丈夫なの?
しょうがないわね、明日まで待ってあげるから今日は、必ず宿題するのよ。」



「だってさ、蒼井さんも助かったね。白井先生は、優しいから。」



「あらぁ〜…優しいだなんて、赤石くんうまいコト言って〜。
蒼井さん、まだ居たのね。
そうね、あなたも明日まででいいわ。
今回だけですからね。」



白井先生は、気持ち悪いほど機嫌がよく甘ったるい声で許可してくれた。


さっすが、俊くん。
先生でも落とせそう
と言うか確信犯っぽいかも…。


「ありがとうございました。失礼します。」


あたしは、俊くんの後ろからぺこりと頭を下げた。


「俺も、失礼します。ありがとうございました。」

年甲斐もなくポーっとする、白井先生に挨拶して俊くんはさっさと職員室を出て行った。



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