テキストサイズ

俺のウサギちゃん

第27章 お客様感謝祭 Ver.2

優しくされると、堪えきれなくなってあたしは咽び泣いてしまった。


「ふぇ〜…えっえぐ…何かね…俊くんの…前の彼女が来てて…。」


あたしは、レオさんに泣きながら先ほどの美姫さんの事を話した。


「美姫さんねぇ〜…だいたい事情はわかったよ。ようは、ヤキモチだな。」


そんなに、あっさり一言でまとめなくても…。
レオさんは、綺麗なスミレ色の瞳を細めて、冷静に答えた。


「美姫さんは君にヤキモチを妬いて意地悪言ったんだと思うよ。そんな事を君に話すということに、悪意を感じる。まぁ、そんなに深刻になる必要はないだろう。」


こんな悪意を、直接ぶつけられたことのない恋愛経験値の低いあたしは、何だか怖くなって身震いしてしまう。


「その美姫さんが怖くてビビってるの?」


「そうかも、だって睨まれてゾッとしたんだもん。」

あたしは、コクコクと頷いた。


「君は、彼女だろ?ガツンとかましちゃえばよかったじゃないか。しょせん、負け惜しみだろ?」


レオさんは、腕をブンと振り下ろした。
天使様みたいな綺麗な顔してるくせに、乱暴なことを言うんだ。


「そんなこと、できないよ。だって…は、はじめての人だって…うっうっ…ふぇっ…そんな事、知りたくもないのに…。」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ