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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

「なんだよ、うるせぇな……」

寺の屋根から声がし、月夜野とみぃみぃは同時に見上げた。

「ここは山奥の秘境だぜ? 人間ってのは本当にうるさい生き物だな……」

屋根の上にいたのは人狼。
牙を覗かせ、爪を立て、血に飢えた狼、TOMが立っていた。

「じ、人狼ッッ……」

大きさや体格からして自分が古城で見たものに違いないと月夜野は確信する。

一方、TOMは----

「俺に会ったのが運の尽きだと思うんだな……初対面で悪いが殺させてもらうッッ!!」

月夜野のことを全く忘れていた。

初対面はおろか、三回目だというのに。


TOMはみぃみぃと月夜野目掛けて屋根から飛び降りる。

秘境の山寺で三竦みの戦いが始まる----

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