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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

しかし武器同士の戦いとはいえ、そのリーチには違いがありすぎる。

暗殺を得意とする霧里の武器は接近戦で威力を成す短刀。
対する紫響は槍よりも飛距離のある鞭。
更に範囲も広い。

近付かなければ霧里に勝ち目はない。
だが近付けば圧倒的に霧里に有利となる。

アカデミー首席の天才は焦らず右へ左へと小刻みにステップを踏み、紫響を撹乱する。

鞭使い女王もむやみに鞭を振れば隙が生じて一気に間合いを詰められてしまう。

無駄撃ちは命取りだ。

時に飛び、時に走り、霧里は紫響を陽動する。

「ちょこまかと鬱陶しいわね……」

霧里の動きにあわせて紫響も小さく移動して間合いを保つ。

原住民たちは息を飲んで戦いの成り行きを見守っていた。

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