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どう見ても戦闘要因ではない少女にゆずも思わず笑ってしまう。

「あなたたちねぇ……こんな女の子一人捕まえてなにいきがってるの？　縄を解いてあげなさい」

「しかし人間は皆殺しというのが魔王様の----」
「聞こえなかったの？　私は縄を解きなさいと命じたのよ？」

ゆずの静かながら迫力のある声に気圧され、部下は縄を解く。

「ありがとうございます……」

束縛を解かれたゆきめは怯えながらも頭を下げる。

「どうしてあなたは西の都なんかに来たの？　ここが魔族の土地だって知らなかったわけでもないでしょ？」

「はい……お父さんを西の都で見たと言う人がいたもので……」

父を探す料理人見習いの少女は震えながらもその意思をはっきりと伝えた。