闇の王と光の騎士
第13章 魔界争乱
「間抜けな貴様から奪い取ったガスのお陰で対抗ワクチンが完成した……感謝するぞ、小娘」
櫻啼は研究員達を庇うように手を広げて霧里の前に立つ。
安い煽りだが、完璧主義者の霧里は自らの過去の失態を皮肉られて怒りを覚える。
東の都で完成した対魔族ガスを奪われなければ魔族との戦いはもっと有利に進められていたし、こんなに早くに対抗ワクチンまで開発されることはなかった。
「また俺に痛め付けられに来たのか? 小娘……」
サタンは三ツ又の矛を構える。
「私は同じ相手に二度負けることはない……」
霧里も懐に手を入れ、短刀を握り締めた。
互いの王の右腕同士の命の削りあいが始まる----
櫻啼は研究員達を庇うように手を広げて霧里の前に立つ。
安い煽りだが、完璧主義者の霧里は自らの過去の失態を皮肉られて怒りを覚える。
東の都で完成した対魔族ガスを奪われなければ魔族との戦いはもっと有利に進められていたし、こんなに早くに対抗ワクチンまで開発されることはなかった。
「また俺に痛め付けられに来たのか? 小娘……」
サタンは三ツ又の矛を構える。
「私は同じ相手に二度負けることはない……」
霧里も懐に手を入れ、短刀を握り締めた。
互いの王の右腕同士の命の削りあいが始まる----