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闇の王と光の騎士

第13章  魔界争乱

「その体では……俺に勝てないぞ……」

「手負いの狼より強いモンはいねぇよ」

TOMは軽快なステップで円を描くように月影の周りを回った。

背中をとられないように月影も円の中心で回る。

「どこまでついて来れるかな……」

ニヤリと笑ったTOMはその動きを速める。

「ッッ……」

TOMの移動速度は次第に速まり、捉えることが難しくなる。

三半規管の優れている人狼は高速の回転でも平衡感覚を失わない。

(見えないっ……)

どのタイミングで仕掛けてくるのか。
月影は眼だけでなく、気で相手の動きを感知していた。

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