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ＴＯＭの動きは残像が見えるほどの速度に達していた。

もはや月影はそれにあわせて動くことが出来なかった。

神経を尖らせてＴＯＭの仕掛けを待つ。

「ッッ……」

瞬間、ＴＯＭの気配が変わった。

「撃ッッ!!」

背後に気配を感じ、月影はそちらに向けて蹴りを撃った。

「ぶはぁあ!!」

激しい衝動が足の裏に伝わっていた。

ＴＯＭは月影の足の裏に顔面を蹴りつけられて跳ね返されていた。

「ＴＯＭッッ!!」

月影は血相を変えて親友に駆け寄った。

ＴＯＭの首はあらぬ方向に曲がってしまっていた。

「すまないっ!!　ＴＯＭっ!!　しっかりしてくれっ!!」

横たわるＴＯＭの身体を抱き寄せ、夢中で叫んでいた。

「やっぱお前はすげぇよ……俺が認めた人間だけはある……」

ＴＯＭは虚ろな眼で消えそうな声を絞り出す。