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闇の王と光の騎士

第13章  魔界争乱

「狼男の墓を造ってやっているの?」

「そうだ……俺の親友だからな……」

月影も相手が王立軍の人間とわかりながらも戦う意思はなかった。

今は早くTOMの墓を造り、安眠させてやりたかった。

「へぇ……僕も色んな友達がいるけど人狼の友達はいないな」

深いわけがありそうな姿に遥風もかける言葉が見つからなかった。

「こいつは俺の親友で、ライバルで……同じ目標を持った同士だった……」

「そう……それじゃ立派な墓を造ってやらないとね」

『見逃す』という意味で遥風は月影に背を向けた。

「……ありがとう」

その背中に一言礼を告げ、月影は再び穴を堀始めていた。

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