テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第16章 闇の王の粛清

「落ち着いたか?」

泣き止んだまあやに賊が声をかける。

「ええ……」

「これ……渡しておく」

「これは?」

受け取ったのは大振りの包丁のようだった。

「ダイナゴンっていうらしい。みぃみぃがこの剣を贈ったゆきめという少女の父親を探している……もし出会ったら渡してやってくれないか?」

「……わかった」

「あと、これも」

それは腰巻きのガンホルダーだった。

「汚くて悪りぃな……それ、みぃみぃがいつもつけてたモンだから。良かったら持っててやってくれ……」

「……ありがとう」

まあやはそれをその場で腰に巻く。

「私はこの戦争を始めた人間を許さない……絶対に……」

「ああ……」

もう泣いてはいなかった。
まあやは決意に満ちた目で立ち上がる。

最後の戦いに向かって、一歩、歩き始めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ