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闇の王と光の騎士

第20章 闇の王

しかしただで中央都市を明け渡すほどすまいるは潔い人物ではなかった。


「ももは将軍」

「どうした?」

伝令がももはの元へとやって来る。

「すまいる王は陥落させられるくらいなら中央都市ごと焼き払うつもりのようです……」

「…………そうか」

それはももはも予想していたことだった。

中央都市はすまいるの栄光の足跡そのものだ。

元々何もなかった土地に一から建設して作り上げた街、それが中央都市だ。

奪われるくらいなら焼き払おうというすまいるの思惑は読めていた。

しかし、たとえ造ったのがすまいるであったとしても多くの人々の住む街となった今、当然中央都市はすまいる王の所有物ではない。

自分の都合で焼き払って許されるものではなかった。

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