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「菜々ちゃん」と、優しく語り掛けて来る涼さんを見つめれば茶色いビー玉みたいな瞳がゆっくり細まった


「俺達と住むのは嫌なの？」


その言葉にピクリと反応し頬が引き攣るのが解る


「だって普通に考えれば当たり前のことでしょ!!!わ、私は一緒になど住めません!!!」

箍が外れた様に言葉を吐き出す私


「この前まで赤の他人だったじゃないですか!!!」

「やだな、菜々ちゃん酷いね。俺達兄妹だよね？この前宜しくって言ったよね？」


ウッと引きながらそれとこれとは違うと口を開いた私より先に涼さんの声がかかる


「それに、もう帰る場所は無いでしょ？父さん達の邪魔はしたくないよね？」


母の元に帰ると言う手も有ると考えてた所で放たれた言葉にドキッとした


あれから行動の早い母は明人さんと住み始めたらしい


籍を入れるのも時間の問題


そんな中私が帰ると邪魔にしかならない


涼さんの言葉は的を得てて何も言えなくなった


年頃のなんたらと言ってたのも有るが一番の反対理由は


何と言っても





..................翔君だ......




「も、元の部屋に......」


翔君を一瞬チラリと見つめれば私を見つめてた様で合わさった視線をパッと逸らした



「あー残念..........。解約済み」


母の行動の早さに舌を巻く


「お前の帰る場所はここしかねぇ」


だから諦めろと純さんは言った