
禁断ハーレム〜beastな関係
第3章 新たな生活
お風呂から上がると髪はタオルドライしただけで部屋に戻った
どの場所に行くにもリビングが直結してるため、リビングに誰か居ると必ず顔を合わせる事になるらしい
その為扉の隙間からソロッとリビングを確認し、誰も居ない事を確かめると一目散に部屋の中へ駆け込んだ
扉を締めホッと息を付くと、響いて来た声にビクッと反応してしまった
「菜々........」
この声は振り向かなくても解る
「菜々........振り向かなくても良いから話を聞いて欲しい」
低すぎず高すぎず少し甘めの声は........
翔君だ
昔、大好きだった翔君の声
「菜々.........涼と純に隙見せないで......」
突然の言葉にドキッと胸が高鳴った
何で翔君にそんな事を言われないといけないの?と、拳を握り締めた
扉を見つめたまま振り向けない私のすぐ真後ろから翔君の声が響いた
「心配なんだ......」
耳に掛かる翔君の吐息混じりの声に瞼をキュウと閉じる
突然包み込むように後ろから回された腕に肩が大きく揺れた
や.......やだやだ.....
「菜々.......」
「............っ....」
逃げる様に翔君を押し退かし翔君から距離を取る様に後ずさる
「私にっ...........私に触らないでっ」
叫び声に近い声を吐き出した私の言葉にショックを隠し切れないのか傷ついた顔の翔君
でも、私にはそんな翔君の気持ちまで思いやる余裕は無くて瞳を潤ませながら唇を噛み締める事しか出来なかった
何でっ.....
何で今更こんな事するの!?
私達はもう終わったのよ.....
一杯傷ついて一杯涙が流れた
何で今頃になって..............再会するのよぉ!!!!
「わ、私は........望んで無かったっ!!!」
自分の心を守る為なら貴方を傷付ける
「翔君と再会なんてしたくなかった!!!!」
