
禁断ハーレム〜beastな関係
第3章 新たな生活
ドアの前に佇むのは潤さん
腕を組み鋭い瞳をより鋭くし此方を見つめている
私の上からゆっくり上半身を起こす翔君
その瞳に怯え涙を流す私が写り込む
ベットへ広がる長い髪、一瞬切ない顔をして顔を背けると私の長い髪を一束手に取り優しく唇を落とし小さく呟いた
「俺は謝らない.........」
「っ........」
耳元に寄せられた唇
掛かる吐息にビクリとし、身体が硬直した
「絶対菜々を諦めない」
その言葉だけ耳元に残し私から離れて行く翔君
そんな私達を何も言わず見つめる潤さんが足を動かした
部屋を出て行くため扉へ向かった翔君と一瞬視線を合わせる
しかしお互い言葉を何も発せず、通り過ぎた
パタンと小さく扉の閉まる音
翔君が居なくなり身体の力が抜けると同時に震え出す私
ガタガタと震える身体を自身の腕でギュッと抱きしめて絞り出す様に声を発した
「っ......来ないでっ.....」
小さく呟いた私の言葉が聞こえたのか途中で止まる潤さんの長い足
何で私がっ......と、思いながら唇を噛み締めると再び足を進め始める潤さん
その行動に震えがより一層強くなり、身体が強ばって行く
やっ..........
やだっ.....
まだ危険は去って無いっ.....
怖い怖いと思えば思う程、息苦しくなる
潤さんだって翔君と変わらないっ
翔君の兄弟なんだ.....
「耐えらんない」
もう嫌だと呟いた瞬間、枕元へ何かが投げられた
ポスッと小さな音がして、視線をやると銀色の光り輝く小さな鍵だった
ベット脇へ立つ潤さん
「それで鍵掛けとけ」
そう言うと踵を返しさっさと部屋から出て行く潤さん
出ていく時ポツリと呟いた
「アイツと一緒にすんな」
少しだけ振り返り、目線だけ私へ投げ寄越すと締まる扉
