
禁断ハーレム〜beastな関係
第3章 新たな生活
ディスプレイには母の名前
もしもしと声を発するよりも先に聞こえくる母の含んだ物言い
「どう?部屋は見つかった?」
少し笑いを忍ばせ、今の私の現状が解ってる様な物言いに頬が引き攣る
「どういう事?」
怒りを通り越して呆れた様に声を出した
見つからなかったでしょ?と言われ、全て見ていた様に話し出した
『ふふ........名前を伝えた瞬間追い出されたでしょ?
青い顔されたりした?』
恐怖に慄くスタッフの姿、焦った様に追い出された
五分と持たなかった店も然り
『この街では借りれないって言われなかった?』
「なっ!!!」
店先で言われた言葉が蘇る
「明人さんに伝わっちゃった」
テヘッと明るく放たれた言葉にイマイチ理解不能な私
母が言うには
「明人さんから三兄弟にも知られちゃったからなぁ」
は?
『ここら辺で赤嶺家を知らない人は居ないわ』
奈々も聞いた事位あるでしょと言われ思い出す
赤嶺...........AKAMINEグループ
親子一代で築き上げた会社はやり手の社長と、親族で成り立ってる上層部が君臨するマンモス会社
何代にも渡る一族で知らない人は居ないと言われる赤嶺一族
表の世界から裏の世界までの人脈は限りなくて敵に回せば日を見ることはないと言われる赤嶺の名前
その赤嶺が
『言ってなかったかしら........明人さんの苗字
赤嶺よ......』
ハハハと渇いた笑いが喉を通り抜ける
あ........でも翔君の名前
確か.........赤城だったはず
それを母に伝えると
「それは.......まぁ、直接三兄弟に確かめた方がいいわよ」
と、言われ何も言えない私
『取り敢えず明人さんの血を引いてるんだもの...........この世で最高の盾と剣が出来たと思えば良いのよ』
盾と剣って.......
『後番犬.....』
切れる直前の母の声は頭に入らなかった
ボーッとし、真っ白になる私
『まぁ、私もだけど..........奈々も
もう、逃げられないでしょうね.......』
