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第29章 ♥隠れて甘いkissをして/立花と香

「も、もう、おしまい……!!」



腰が砕けそうで、ガクガク震えるあたしの体。


先輩は名残惜しそうに唇を舐めると


今度は優しく包み込むように、あたしを抱きしめた。



「充電できた、サンキュ」

「……こ、こちらこそ……」

「俺先に出るから。
落ち着いたらゆっくり戻りな」

「は、はい、そうします……///」

「あと俺、今夜飲み会でちょっと遅くなるから」

「はい、分かりまし……」



………ん?


まだ半分ぼーっとした意識の中でも


流れるように続いた会話のうち、最後だけが何故か………




「……立花先輩、ちょっと待って」




ドアノブに手をかけた先輩の手が、ピタッと止まる。


なぜか、こっちに振り返らない。


この甘い空気の中、どうしていきなり飲み会話なんてし出したの?




「…………」
「…………」



………怪しい。

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