
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony
「え?じゃないっつの。
新郎の父親なんだから、謝辞を述べるのは当たり前でしょ」
「…………」
「いくらフランクなハワイの式だからって、本人達含めて9人しかいないんだから
全員何かしらスピーチするはずヨ」
アタシは決めてるのよね~♡と鼻歌を歌うアンジーの横で、俺は溜息を漏らす。
「……とくに考えとらんよ。
俺は父親じゃないから、普通にお祝いの言葉を言うだけさ」
「……………」
すると、アンジーがぐっと顔を近付けてきた。
「……なんだ?」
「今、自分のこと “ 俺 ” って言ったわネ」
「…………!」
アンジーはふんっと鼻を鳴らした。
「見た目60に見えないくせに、普段からジジイぶって “ ワシ ” なんて言ってるから違和感あるけど
本当はそっちなんでしょ」
「…………」
「隠そうとした時にこそ、そうやって本当の自分がぽろっと出ちゃうんだから。
変に意識しないで、受け止めればいいじゃないの」
……アンジーは、こういう時に限っていつも確信をついてくる。
オカマはこれだから怖い。
