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第32章 ♥隠れて甘いkissをして/propose2


空港内の案内図を見ながら、私はその場所へ向かって移動する。


無意識のうちに、歩くスピードが早くなる。



……この日を、ずっと待っていた。


逢いたくて、逢いたくて


1年も早く帰ってきてくれた彼に、1秒でもいいから早く逢いたくて


入口のサインを見つけた時には、私は息が切れるほど走っていた。



「……あった……展望デッキ」



開放時間は夜8時までになっているけど


隼人に言われた通り、その扉を開けて階段を上がる。


外に出ると、ちょうど夜空へ飛び立っていく飛行機が目に入った。


フェンスの向こう側には、ライトがキラキラ輝く滑走路が広がり


離着陸する飛行機が何台も並んでいて


目の前に広がる景色が、迫力のある1枚の絵のようだった。



「………綺麗………」



誰もいない展望デッキで、思わず呟く。



1番奥のフェンスまで行くと



後ろから、足音が近付いてきた。

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