
♡*:。.rena's world story.。:*♡
第7章 ☆甘い誘惑
「ねぇ、翔ちゃん」
出逢った頃を思い浮かべた後、私は口を開いた。
「もうすぐ結婚記念日だよね」
「そうだっけ」
「そうだよ、去年は温泉旅行に1泊2日で行ったじゃない」
段取りは全部私がしたけど、と心の中で呟く。
翔ちゃんはテレビを見ながらあくびをした。
「あ~あの夕飯の蟹が美味かったのは覚えて……」
「今年はどうする!?」
翔ちゃんの声を遮って聞くと
「何でもいいよ」
「……今年は平日で仕事の日だから、私はどこかで外食したいな。
夜景が見えるレストランとか……」
「いいよ。彩に任せる」
翔ちゃんはニコッと笑うと、食べ終わったお皿を持って立ち上がった。
「でも俺、何時に上がれるかわかんねーけど。
それでもいいなら、予約しておいてよ」
キッチンの食洗機にお皿を入れると、翔ちゃんはそのままバスルームへと消えていった。
「…………………」
