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もう恋なんてしない。

第2章 ここは中国。不夜城上海。

2月4日

社長と食事を終えて時間は22時を廻っていた。

健康診断の結果とパタヤ行き決定の報告

そして20日ぶり位に逢える嬉しさで剛はタンタンに電話をした。

『もしもし! 今から行くよ!』

『柚子から行くから10分位で着くから!』

 『何人で来るの?』

 『俺一人だよ!』

 『うん!待っているよ。8階に来て!』

 春節明け、日本から帰ったのは今日。

沢山の土産話を早く伝えたくて、小走り『ネルトン』に向かった。

仙露路と虹古路との交差点角のビルにある上海では老舗のKTV『ネルトン』

4階から8階までフロアー毎にグループが分かれている大型店だが

煌びやかなエントランスを持つ店ではない。

その内装も決して豪華とは言えない。

どちらかと言えば今の上海では一昔前の手を入れていない内装であるが

可愛い子が多い、と言う事。

 決め手は、お餅(一緒に帰り、一夜を共にする小姐)が

多いという事も出張者からは支持を受けていた様だ。

 『ネルトン』その名を知らない駐在者は勿論いない。

 エレベーターを降りると細い通路が部屋まで続く。

23時に近 いが勿論お客でいっぱいである。

剛は8階に上がり少し大きめの部屋に案内された。

どうやらタンタンはお客が付いているらしい。

『小宮山!新年好!久しぶりですね!』

マネージャーの竜が挨拶に来た。

 『そうだね!忙しい?』

 『まぁまぁですよ!今日は一人ですか?』…

 『彼女直ぐに来ますから、ゆっくりして!』

 『大丈夫だよ!』

 竜が席を立つと同時くらいにタンタンが入って来た。

 『小宮山!一人なの?』

(仲が良くなれば、中国では“さん”とかは殆ど使わない)

 『ダメ? 社長と柚子で食事していたから』

 『新年好!』

『そうだね! 新年好!』

 久しぶりに逢うのに、他の客が気になるのか?嬉しそうな顔はない。

身体の結果を喜ぶ素振りもない。

無論日本から結果はメールで伝えていた。

 『お客さんいるの?』

 『うん!』

 『忙しい?』
 
『少しね!』

 水割りを作ると、グラスを合わせた。

ひさしぶりに会えたのに嬉しくないの?
身体は大丈夫だったのに嬉しくないの?

何考えてるんだよ!
土産話のパタヤの件も話す気分じゃないよね。


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