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先生、駄目ですっ……

第12章 図書委員の継承  3

やがて日が傾き始め、街を歩く人たちも家族連れから若いグループが目立ち始める。

これからコンパなのか、よそよそしいぎこちなさと無理に盛り上がろうとする不思議な気配が出ていた。

みんな同じくらいの年代の人たちで盛り上がってる。

私の十才くらい年上の彼氏はまだ迎えに来てくれなかった。


日が暮れ始めると人は寂しい気持ちになる本能があるのか、私はじわっと涙が溢れてきた。


「波奈っ!!」


喧騒の中からわたしを呼ぶ声が聞こえるっ!!


「せ、先生っ……」

夕暮れの街中、汗を流して息を切らして甲斐先生が立っていた。

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