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先生、駄目ですっ……

第13章 鬼の生活指導教員 3


「おはようございますっ!」

翌朝、阿久津を見た琴子は大きな声であいさつをした。

いつもと変わらない、はきはきとした明るい声で。

「おう、おはよう」

阿久津もにっこりと笑って返す。

なんだかそれが痛かった。

別にそんなに無理にいい子でいる必要ないんだよ?

「加賀美もおはよう」

阿久津は何事もなかったかのように私にまで挨拶をしてくる。

私はあいさつなど出来るはずもなく、刺し殺しそうなくらい鋭い目つきで阿久津を睨んだだけだった。



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