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先生、駄目ですっ……

第13章 鬼の生活指導教員 3

「バカなんじゃないのっ!! 今拾っても夕方にはゴミだらけだからっ!! あんた一生ここに住むつもり!?」

阿久津は笑いながらビニール袋を拾い上げて、またゴミを入れる。

「一生ここか。それもエエな。きれいなとこやし」

「ふざけないで!! そうやって笑ってごまかさないでっ!!」

「加賀美。わしらがゴミを拾えば少しでもゴミは減る。わしら以外の人もゴミを拾ってるし。とりあえず目の前のやれることからやろうや、な?」

阿久津は軍手と手袋を私に渡してくる。

「か、勝手にやれば? 私はしないからっ!!」

差し出されたそれらを受け取らず私は旅館に戻っていった。

阿久津の説教なんて真っ平ごめんだから。

綺麗事ばっか言う。

阿久津も結局よくいる偽善者教師と同じだ。


少しでも心を許した自分がバカだった。


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