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先生、駄目ですっ……

第15章 カテキョとお嬢様 3

「悠希ちゃん……」

「なんですか、先生?」

先生は私の手をぎゅっと握って見詰めてきた。


「俺、海外に留学することになった」



「えっ…………」



「いきなりでごめん。研究の成果が認められ、イギリスの方に留学することになったんだ」

「イギリス!? そ、それはまた遠くですね……いつからですか?」

ひきつった笑いを浮かべていたと思う。

けど小野瀬先生は研究が大切なんだ。

理解をみせないといけなきゃ……

動転する気持ちを落ち着けながらなんとか声を出していた。


「……二週間後から」


我慢の限界だった……

堪えていた涙がポロっとこぼれる。

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