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先生、駄目ですっ……

第15章 カテキョとお嬢様 3

「すぐに帰ってくる。研究を纏めて成果をあげてすぐに帰ってくる」

「……約束ですよ」

「ああ。約束する」

駄目。
涙が出ちゃいそうっ……

「悠希……」

先生はスッと私の顎を軽くあげた。
そして。
ゆっくりと。

キスをしてくれた。


「じゃあ……行くね」

「いってらっしゃい」

無理にでも私は笑えた。

泣いてたら先生が心配して行けないもんね。

私ちゃんと先生を笑顔で送り出せたよ……

先生がゲートを潜り、視界から消えていく。


「うっ……ううっ……先生ぇ……先生ぇえええっ!!」

先生が見えなくなってから私は大声で泣いた。

周りの人たちが焦るくらい、ところ構わず泣いた。

「先生っ!! 先生ぇええっ!!」

心に穴が開くってこんな感じなんだ……

穴が塞がるはずもなのに、私はひたすら泣き崩れていた。


お嬢様とカテキョ 3 終わり

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