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悪魔と天使

第1章 編入


ドキドキだ。
なんて嘘。
今は職員室にいる。
担任の本堂先生を待っている。



「なぁ、一ノ瀬ってオタクか?」
「え?違いますよ?」
「………マジ?」
「はい。」



そんなにオタクに見えるのか?
めっちゃ面白い顔してるし。
はははっ。



「クラスは2-Sだからな。俺が入れって言ったら入って自己紹介しろ。
いいな。」
「はい。」



静かな廊下を二人で歩き、教室に先生だけ入って行った。
俺は一人廊下に立っていた。
ちょっとしたら呼ばれたので普通にドアを開けて入った。



ガラガラーーーーーー



『うわっ、ハズレじゃん。』
『オタクかよ!』
『キモッ、汚れる。』



など、酷い言われようだ。
まぁ気にしないが。
俺に危害がおよばなければな。
平凡に過ごしたいからな。
一人で。



「一ノ瀬 楓です。よろしくお願いします。」



よろしくする気なんてないがな。
俺は軽く頭を下げ、本堂先生に言われた一番後ろの窓際の席に座った。
誰も話しかける奴などいないだろう。



「よう!俺、中西 悠(ナカニシユウ)だ。よろしくな。」
「あぁ。」
「楓って呼ぶから俺のことは悠って呼んでくれ。」
「あぁ。」
「聞いてる?」
「あぁ。」



ウザイ。
見た目は爽やか系のイケメンだ。
中身はバカか?
話しかけんなよ!



俺は徹底的に無視を続けた。
周りは
『中西様かわいそう』
『なんなのあのオタク!』
『死ねよ!』
とか言ってるし。
まぁ中西様って言ってるから親衛隊か何かだろ。
マジ俺、いじめられたくないよ?

                          

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