LAST SMILE
第3章 新しいBlue Sky
え・・・?
何、こいつのこの顔・・・。
祐兎が、笑った?
普段、ずっと不機嫌な顔のままなこいつ。
武田くんたちとじゃれ合ってたって、
決してその無表情を崩さないこいつが、
初めて笑った気がした。
その顔はあまりに妖艶で、ついついドキッとした。
初めて見たその優しい瞳と、その声。
あたしは文句を言うのも忘れてその顔に見入っていた。
*
「え?何この人ら。
ずっと見つめ合ってんすけど・・・」
磯部くんのその言葉であたしは我に返った。
「み、見つめてないし!こいつがアホな顔してるから
面白いなぁ~って・・・」
「おい、誰がアホだって!?」
そんなあたしたちのやりとりを見て、みんなで笑い出す。
なんか、
楽しいかも・・・。
この人たち、そんな悪い人じゃないみたい。
みんな仲良くて、
あたしにも優しくて(祐兎以外は)。
なんとかやっていけそうって思った。
「おい、そこまで歌えんなら、歌詞つけろよ」
「だって!!あたし歌とか歌ったことないし!!
歌詞なんて、つけられないよ」
あたしが反抗すると、
亜貴がベースを置いてあたしの傍まで来た。
「んじゃ、歌詞付きの方は学校で練習すっか」
「え?」