LAST SMILE
第5章 リストバンド
*
そんなちょっとした事件?があってから、
あたしたちはわりと自然にいつも通りすごした。
みんな、あたしがあんなふうに取り乱したこと、
不思議に思わないのかな?
ていうか、このリストバンド、
あたしのじゃないし・・・。
誰のだろう・・・。
てか、あたしのはどこにやったんだっけ?
覚えてない。
何も覚えてない。
ただ、あたし、
亜貴にすっごいこと言っちゃったような・・・っ!?
「麗華」
「え・・・?」
「なんだよ。その顔。
そう呼べって言ったのはお前だろ?」
そうでした・・・。
あーあ。
あたしったら恥ずかしい。
あの時のことは鮮明に覚えている。
出来ればなかったことにしたいんだけど・・・。
あれから亜貴は、
あたしを“麗華”って呼ぶようになった。
なんだか変な感じ。
それに、あれから亜貴は、
なんだか前よりあたしに気を遣ってる感じだった。
おかしい。
亜貴。
なんか変わった?
だけど、変わったのは亜貴だけじゃなかった。