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LAST SMILE

第5章 リストバンド







「ねぇ、ここの歌詞だけど、こっちに変えてもいい?」


「・・・え?あ、ああ」


こいつもおかしい。


祐兎の様子が最近変だ。


何を言っても上の空。


あたしが話しかけるとびくっとして、
そしてすぐに目を逸らす。


あたし、なんかした?


これじゃあ、
初ライブまでこのままなんじゃ・・・っ!!






「REI。お疲れ。大体歌えるようになったじゃん?」


「そう?たけしのドラムも最高だね!」


「ねぇ、REI。自販いくの?
 俺、オレンジジュース飲みたいな」



武田くんと、磯部くんはいつも通り。


磯部くんは、いつも通り、
駄々っ子のような瞳で見つめてくるから、
何か頼まれると断れなくなっちゃう。



「おい、祥吾。自分でいけ」


「えー。面倒。てか、亜貴が買ってきてよ」


「はぁ。しょうがねぇな。麗華は?何飲むの?」


「え?あたしは自分でいくよ?」


「いーから」



亜貴はすっと立ち上がってあたしの返事を待った。



「・・・じゃあ、チョコミントで・・・」





「んなくそまずいの良く飲めんな!?」


あたしが答えると久しぶりに、
祐兎からからかいの言葉が聞こえた。


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