愛しぬいて。
第1章 始まりの日。
あの日から、俺は店に行かなくなった。
なんでかってか?
それはな。
気分だ←
まぁ。気にすんな。
でも、なんかあいつの顔見たくて
今、親父の店の前にいるわけだが。
コンコンッ
あ?
車の窓ガラスを誰かが叩く。
「俺だよおーれっ☆」
「オレオレ詐欺かてめぇわ」
車の窓ガラスを開く。
「んだよ。」
そこには、親父がいた。
「お店に来ないのぉ~ん?」
「甘ったりぃ声出すな」
「じゃあ、店行こぉーか♪」
勝手に話進めるじじぃだな。
「はやくぅ~」
きめぇ。
「わぁーったよ。」
そう言うと、親父のSPが扉を開く。
「どぉも。」
と、言って。車から降りると周りのキャバとか女達がキャーキャー言い始める。まぁ、親父の時からうるさかったけどな。
俺らの身長はデカめで。
親父が192cm。俺が189cm。
で、結構目立つわけで。
「ねぇ、やばいかっこよくない?あの2人」
「ぇ。写メっちゃっていいかな??」
とか、聞こえてくる。
「良かったら、そこのホストクラブ
俺の店だから来てくれてもいいよ♪」
とか、親父は店の宣伝してるし。
「ほんとですか?...あの
そこの人、指名できますか?」
は?俺?
「ごめんねぇ。こいつ
俺の息子で。ホストはしてないの」
さすが、俺の親父。子供うんねぇのな。
「じゃ、俺達は店戻るんで
もしよかったらよろしくねぇ~☆」
とか、また宣伝してる親父。
宣伝しなくても客来るだろ
とか、心ん中で思う俺だった。