愛しぬいて。
第1章 始まりの日。
『なるくーん。指名だよー。6番テーブルね』
「はぁーい」
さっきの、店長があいつを呼ぶ。
「ご指名ありがとうございます。」
すぐ、こっちに来て
営業スマイルを俺に向けるこいつ。
「おぉ。」
返事するとこいつの顔が少しひきつった。
「ぁ。えーっと。なんで、指名してくれたの?」
いきなり、タメになるこいつ。へぇ、出てけってか。
「あ?前、店見に来た時に気に入ったから」
気に入ったってか一目惚れだけどな。
自分の気持ちには逆らえねぇわ。
「なんで、店見に来たの?」
「あ?あー。俺ここの社長?の息子だから」
は?前助けた時に普通わかんだろ。
もしかして、覚えてねぇのか?
「てか、気に入ったって何?」