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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 零一が経験豊富で意識するほどのことではないと思っているのか、普通過ぎる態度に私は戸惑いを隠せない。

 明らかにわかっているのは、私自身、経験が無さすぎて困っているということだ。

 高校を卒業して恋愛のチャンスがなかった訳ではないけれど、結局、一歩前に出ることができずに消滅していったけど。

 横目でチラリと零一を盗み見ると、零一は私の態度を気にする様子もなく、残り一口のおかずを口に運んでいた。

 気にしてないんかい。

 思わず突っ込みを声にしてしまいそうになって、言葉を呑む。

 って、私、気にしてほしいの?

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