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君の瞳に映るもの

第3章 戸惑い

 零一の舌先が唇をくすぐり、私は思わず肩を竦めた。

 顔を傾けて深くなっていくキスに、唇は応えてしまっている。

 何度重ねたかわからない唇に、今日一日で慣らされてしまったのだろうか。

 けれど、何処かに残る冷静な考えが一歩踏み出せずに曖昧な反応となった。

 つき合ってもいない関係で、こんなちゅっちゅしていいわけないのに!

 舌を引っ込めて拒否してみるけれど、零一の舌先が奥へと入り込んできて、また、すぐに絡め取られる。

 いつ、止めてくれるのだろう。

 瞳を閉じて思うけれど、零一は私の頬を手で包み、更に求めてくる。

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